「選挙用品が増えるごとに、応援のしてくださる方々の一体感が高まっていきました」

「選挙用品が増えるごとに、応援のしてくださる方々の一体感が高まっていきました」

2011年4月、板橋区議会議員選挙に初出馬し、見事当選された山田たかゆきさん。34歳。初めての選挙をどのように戦われたのでしょうか。選挙用品をどう準備されたかを中心に、詳しくお話しを伺いました。

インタビュー内容

    山田たかゆきさんのご紹介

    今日はよろしくお願いします。まず、山田さんの自己紹介をお願いします。

    「選挙戦は必死に戦いました」

    2011年4月、自民党の公認候補として、板橋区議会議員選挙に初出馬しました。おかげさまで3813名の方にご投票いただき、当選することができました。

    幼少期に一家で板橋区に引っ越してきて以来、仕事で一時的に離れたことはありますが、人生のほぼすべてをここで過ごしました。現在は妻と子供の
    3人で暮らしています。

    5月から板橋区議会議員として、愛する板橋のために働ける喜びをかみしめています。

    山田たかゆきさんプロフィール(2011年6月現在)
    ○学歴○
    ・板橋区区立緑小学校
    ・板橋区立志村第四中学校
    ・都立小石川高校
    美術館の学芸員になろうと決心し、すいどーばた美術学院に通う
    ・日本大学芸術学部文芸学科
    在学中、短期留学の学内選考をパスし、英国ケンブリッジ大学、米国イリノイ州立
    大学で学ぶ。異文化を肌で感じ、日本や日本人について考える機会となった
    ・日本大学大学院芸術学研究科(修士課程卒業)デザイン史専攻
    在学中、ワシントン州立大学の交換留学試験に合格し、1年間留学する
    ○職歴○
    ・ルイス・C.ティファニー庭園美術館(島根県松江市)学芸員
    ・株式会社ダイナワン(住生活グループ)東京営業所営業一課 営業担当
    政治家になることで地元に恩返しをすると決意し、昨年12月末退職
    ・2011年4月24日投票の板橋区議会議員選挙にて、初当選

    なぜ、立候補しようと思ったのか

    学芸員や会社員生活を経て、区議会議員に立候補されたきっかけは何でしたか。

    大学時代から、政治に興味を持っていました。
    私は、学芸員になりたいと、芸術学部で学んでいたのです。「芸術」と「政治」は一見、遠い存在のように感じられるかもしれませんが、実は芸術は、政治的配慮なしには成り立たない。実際に学芸員として働いて、美術館は、地域や市、県との関係が深いと痛感しました。
    ただ、残念ながら美術館が閉館し、東京(板橋)に戻ることになります。

    昔から政治に関心を持っていました」

    新たな職場で再スタートした頃、「自民党政経塾」の募集を見つけ、思い切って通い始めました。テレビや新聞を通して政治家を見るのではなく、直接、自分の目や耳で触れてみたいと思ったのです。「自分でものを見る」「肌感覚を大事にする」という価値観は、学芸員として作品や建築物にかかわるなかで培われたと思います。

    政経塾では、政治家の方に刺激を受けるとともに、励ましあう同士ができました。彼らに背中を押され、私も立候補を決意。昨年(2010年)の夏ごろには意思を固めました。
    無所属でも出馬するつもりでしたが、幸い11月に自民党から公認をいただき、12月には会社を辞めました。

    政治家になって、どのようなことをされたいと考えたのでしょうか。

    高齢化、介護問題、商店街の空洞化、子供の安全……板橋区も、私が子供だった頃とは様変わりしています。現実を受け止めつつも、明るい未来を描ける板橋区づくりのために働きたいと考えました。学芸員という経歴から、文化振興への思いもありますが、今やるべきことは地域の問題解決だと思ったのです。

    選挙にあたって、不安だったこと、予想外だったこと

    選挙用品の準備にあたって、不安はありましたか。

    初めての選挙なので、全体像をつかむのが難しかったですね。何が、どのくらい必要なのか。また、予算はどのくらいかかるのか。不安でした。
    予算については色々な方に伺いましたが、結局のところ、ケース・バイ・ケース。私も予算を立てましたが、選挙に勝つためには、オーバーしても仕方ないと覚悟を決めました。
    選挙用品については、インターネットや書籍で情報収集しました。選挙用品ドットコム代表・田村さんの著作『28歳で政治家になる方法』も拝読しました。

    本については、後でお聞きしたいと思います。
    その他、選挙の準備中や活動中に大変だったこと、予想外の事態など、ありましたか。

    「時間は、人と会うために使いました」
    「時間は、人と会うために使いました」

    初めてなので、すべてが予想外と言えば予想外ですが…、一つ挙げるとすれば、思った以上に時間がなかったことです。

    何に時間をとられましたか。

    「人と会う」ためですね。自民党の公認を受けていたので、自民党関連の会合に出席させてもらったり、人を紹介いただいたりと、人にお会いする機会を積極的に持ちました。その結果、時間が足りない。ですが、選挙を戦う上で、人間関係は命です。必然的に、その他の時間を削る必要に迫られました。

    選挙用品は、むしろネット通販がよかった

    選挙用品を依頼する会社はどのように探されましたか。

    主にインターネットで探しました。書籍も参考にしました。

    ネットで探すということに、抵抗や不安はありませんでしたか。

    ありませんでした。
    先ほどお話したように、時間は限られていますから、選挙用品の作成はネットがよかったのです。デザインが決まるまで、数回のやりとりは予想されます。そのたびに会わなければならないとなると、時間がとられる人と会うのは人間関係作りのため、それ以外の時間を用品の打ち合わせなどには使わないと、切り分けました。空き時間に、メールや電話で選挙用品のやり取りができるのは助かりましたね。

    選挙用品ドットコムに決めた理由

    選挙用品ドットコムに依頼した経緯を教えてください。

    情報収集する中で、「選挙用品を専門に扱っている会社」があるということを初めて知ったのです。私はそこからでした。見つけた時は、すごい! と。

    選挙用品の専門会社は他にもありますが、なぜ選挙用品ドットコムでしたか。

    ポイントは、
    1.価格が安かったこと。
    2.画像が分かりやすく、必要な選挙用品の全体像がつかみやすかったこと
    3.自分の思い描いていたデザインイメージと、HPのデザインが近かったこと
    4.代表の田村さんも若いチャレンジャーで、共感できたこと
    これらの点から、資料請求をさせていただきました。

    メールを送ったら、すぐにていねいなお電話をいただき、決めました。

    実は、選挙用品ドットコムさんの事務所が横浜だったので、板橋との距離が少し気にはなってはいたのです。緊急時を考えると、近い地元のほうがよりよいだろうと。ですが、距離より質で、選挙用品ドットコムに決めました。

    選挙用品の専門会社に頼んでよかったと思う点はありますか。

    ありますね。
    まず、商品をイチから説明する必要がない点。
    それから、法律的観点からのアドバイスをいただけた点です。

    以前、ある印刷業者さんに、パンフレット作成を頼んだことがありました。一般的な印刷業者さんなので、当然ですが、制作物についての説明が必要になります。どういう仕様のものか、どういう点に気をつけてもらいたいのかを、詳細に伝えなければなりませんでした。

    しかし選挙用品ドットコムさんに依頼する際は、例えば「のぼり旗」、あるいは「ポスター」と一言で十分でした。制作物を理解しておられるからです。

    また、「のぼり旗には名前が入っているから、駅前で立てる際は確認が必要」など、法律に関するアドバイスもいただきました。
    公職選挙法に抵触しないかのチェックは、本来、候補者の責任ですべきことです。けれども新人の場合、時間的な制約もありますから、選挙用品ドットコムさんのように選挙に精通した会社に頼むと安心感が増すと感じました。

    最も重要な「ポスター」――1案目がよいと、速い

    選挙用品ドットコムには、何を依頼されましたか。

    「のぼり旗」、「たすき」、「ポスター」、「はがき」の4点です。「ポスター」には一番力が入りました。

    なぜポスターには力が入ったのでしょうか。

    最も大切な選挙用品だと思っていたからです。

    新人は、有権者の方々に知られていない上、短い選挙期間では、アピールする機会も限られています。顔を見てもらえるポスターは極めて大事だと考えていました。ポスターだけを見て投票される方もいると、周りの方からも言われていました。そのため、実績があり、心から信頼できる会社にお願いしたかった。

    選挙ドットコムさんには「のぼり旗」と「たすき」を依頼し、「対応の速さ」と、「デザインセンス」に満足していました。それで信頼を寄せて、「ポスター」お願いしようと決めたのです。選挙期間に間に合わせるには、ギリギリの頃でしたね。

    どのようなポスターを希望されましたか。

    新人・若手らしい「爽やかさ」「清潔感」に加え、「意志」「リーダーシップ」を表現するポスターです。色は濃紺、キャッチは赤文字でお願いしました。

    選挙ドットコムのデザインはいかがでしたか。

    山田さんのポスター

    最初の案が、私のイメージにかなり近かった。1案目で「この方向だな」と確信が持てました。それでも、さらに2案目として、まったく違う方向性も提案いただき、複数案を、後援会や支援者の方々に見せて、意見を聞きました周囲の意見を聞くというのは、田村さんの本にも書いてあったアドバイスです。その後、数回の微調整で、スムーズに決定しました。

    時間がなかったとおっしゃっていましたが、間に合いましたか。

    はい。大至急、対応いただき助かりました(笑)。

    スムーズに出来上がったのは、対応の速さもありますが、何より、1案目がよかったことが大きいです。もし、最初が大きくズレていたら、その後のやり取りに時間がかかったと思います。最初からいいデザインだったのは、私のイメージをきちんと理解いただいていたからでしょうね。

    仕上がりはいかがでしたか。

    顔色が血色よく出力されていて、満足しました。とりわけ女性の応援者は、「顔色」を気にしてくださっていました。私はあまり意識していなかったのですが、顔色で印象が変わってくる。デザインだけではなく、印刷も大事ですね。

    また、ポスターの裏側にはシールが付いていて、貼るのが楽な上に、雨や風にも強かったです。画びょうで掲示されているポスターの中には、雨でめくれてしまったり、傷ついているものがありました。せっかくのポスターがはがれてしまって、顔を知ってもらう機会を逃すのは非常にもったいないことです。頑丈なポスターでよかったです。

    ブラッシュアップのポイントは、「選挙に勝てる」デザイン

    その他、選挙ドットコムとのやりとりで、印象に残っていることはありますか。

    ポスターの後に依頼した「ハガキ」には、政策や職歴など、かなり文言を入れました。そのため、時間をかけて作り込んでから、選挙用品ドットコムさんにお願いしたのです。

    それでも、私の案そのままではなく、ブラッシュアップされたデザインが出来上がってきた。「なるほどなぁ」と思いましたね。

    どのような点がブラッシュアップされたと感じましたか。

    イメージや文言はそのままなのですが、文字組みをタテにするか、ヨコにするかなど、細かい点の変更で、ぐんと読みやすくなりました

    また、名前を目立たせるなど、ブラッシュアップするポイントを押さえている。ただカッコいいデザインが欲しいのではなく、選挙に勝てるデザインが欲しい、という目的に沿ったブラッシュアップができるのは、選挙用品を専門にされている選挙用品ドットコムさんならではだと感じました。

    ハガキの表面(左)

    裏面(右)

    『28歳で政治家になる方法』を読んで参考になったこと

    選挙用品ドットコム代表の田村亮著『28歳で政治家になる方法』を読まれたと伺いました。本書を読んだ動機を教えてください。

    私は34歳だったので、若者が選挙戦をどう戦ったらよいか、ヒントが欲しいと思って手に取りました。

    ヒントや、実際に役立ったことはありましたか。

    いくつかありましたね。まず、選挙の全体像をつかむのに役立ちました。
    それから、活動期間が短い(3ヵ月)候補者向けに特化した内容だったので、自分の境遇にぴったりで、参考になりました。振り返ると、具体的には3点あります。

    1点目は、ターゲットにあったPRが大事だということ。
    例えば私は、ポスターは若い世代に向けて訴えるものと決めて、「区政は子供たちの未来のために!」というキャッチを入れました。誰に投票するかを投票日に決める、いわゆる浮動層と呼ばれる若い世代の中には、ポスターを判断材料に投票する方々がいると考えたからです。

    じゃあ、年配の方に対してはどうしたかと言えば、できる限り、直接のコミュニケーションを心がけました。握手して、話して、顔を覚えてもらうのが大事だと考えたからです。
    世代ごとに戦略を変えることで、私の声が幅広く届いたと思っています。

    2点目は、世代の異なる支持者を大切することです。若者だからといって、若い世代ばかりを向いていては、支持者が限定されてしまう。それに、冷静に自分の基盤となる地域を見つめたら、ご年配の方々が困っている問題点がたくさんあることにも気づきました。

    3点目は、「できることは全部やれ」というアドバイスです。新人は、とにかく、自分を知ってもらえる接点を増やすことが大事だと痛感しました。街頭にも立ち、ビラも配り、HPも立ち上げ、ブログも書き、ツイッターもやる――できることは全部やりました。

    『28歳で政治家になる方法』田村亮著 ~学歴・職歴・資格一切不要! 25歳以上なら誰でもなれる!~

    選挙用品は、支援者たちの一体感をも高める

    選挙を振り返って、選挙用品で選挙は変わると感じましたか。

    はい。例えば後援会への勧誘については、パンフレットの出来が大きく左右することを実感しました。第一印象によって、手にとってもらえるか、もらえないか、運命が分かれる。のぼり旗やたすきも、遠くからでも目立てば、自分を知ってもらうチャンスが増えます。

    また選挙用品は、後援会や応援してくださる方々のモチベーションにも影響します。いいポスターができると、楽しんで貼ってくださる。いいのぼりができると、持つ方が気合を入れてくださる。全体の士気が上がるのです。もちろん私自身も盛り上りました。「たくさんの方々に支えられました」

    新人候補の方へのアドバイスと、今後の抱負

    山田さんのご経験を踏まえ、新人候補となる方にアドバイス、背中を押す一言などあればお願いします。

    いま全国で、若手議員が増えつつあります。若者なりの視点や発想が求められています。困難な時代、だからこそ、やりがいがある。政治を志している方は、ぜひ、決断をして一歩を踏み出してください!

    最後に、区議会議員として活動されている今の思いと、今後の抱負をお聞かせください。

    選挙活動中は、少しずつ、応援の輪が広がっていきました。私の親の世代の方々、そして同級生ら、二世代にわたって支援をいただけたことに感謝しています。当選を聞いて泣いて喜んでくださった方々の顔を忘れず、仕事に励みたいですね。この大変な時代、魔法のような解決策はないですが、考えることをやめたくはない。若い世代を巻き込み、年配の方の知恵や経験をお借りしながら、地域の問題を一つ一つ解決していくことが、日本を元気にする道に通じると信じて、微力ながら邁進していきます。
    生まれ育った板橋区のために仕事ができる喜びを、形に変えていきたいです。

    「初心を忘れず、4年間頑張ります!」

    【取材を終えて】
    山田様、本日はお忙しいところインタビューにご協力いただきありがとうございました。
    若い頃から政治に興味をお持ちになり、実際に行動に移された山田さんには尊敬の念を覚えました。信念を貫く行動力と、周囲への気配り――硬軟備えた人間性が、板橋区民の方々に支持された理由なのではないかと感じます。インタビュー中、ご自分の暮らす地域への愛が始終伝わってきて、温かい気持ちになりました。
    今後のご活躍を、陰ながら応援しております。
    ※ 取材日時 2011年5月

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