「ポスターがしっかりしていて、差がつきました」

「ポスターがしっかりしていて、差がつきました」

選挙はお金がかかるもの。それがこれまでの常識だった。しかし、特に初出馬を考えている人は、お金もコネもブレーンもない状態をなんらかのかたちで乗り越えなくてはならない。果たして策はあるのか? その点を探るべく、2009年の米子市議会議員補欠選挙において全くの新人であり、初出馬であるにもかかわらず、手探りで選挙を戦い圧勝した、みかも秀文氏にお話を伺った。32歳の若さにして大きな支持を獲得、6000票の大差をつけた人物である。

インタビュー内容

    市民の声を生かしたかった

    出馬しようと決心した理由ときっかけを教えてください。

    私は行政書士をしていたんですが、市民の声がないがしろにされている実情や市議の理不尽さを痛感していたんですね。それで、『なんとかしなければ』と感じて立候補を決心したのです。

    みかも秀文

    不安はありませんでしたか?

    なにもわからない状態で、後援会長も決まっておらず、組織もないゼロからのスタートだったので不安だらけでしたね。ただ応援団が増えてきて、組織らしきものができあがりつつあると、自然に不安は消えていきました

    告示前から自信はあったが……

    当選できると実感を持てたのはいつごろでしたか?

    実をいうと、それは告示前だったんです。
    立候補者説明会が終わった時点で候補者は5人だったんですけど、そのときがいちばん「当選できる」と思えましたね。

    始まってみると組織力や知名度の差を感じて、どんどん自信がなくなっていったんですけど(笑)。
    ですから、当選確実が出たときにやっと自信が戻ったって感じですね。

    お金のかからない選挙を工夫した

    みかも秀文

    資金的な不安はありませんでしたか? また、それをどう解消しましたか?

    ない袖は振れないので、最初に決めた枠組み以上は使わないことにしました。
    実際、ないわけですから使えませんでしたしね(笑)。
    ですが工夫次第でなんとでもなると実感できたので、従来どおりの古い選挙ではなく、お金のかからない新しい選挙をしたんです。

    真面目さや誠実さをアピール

    ご自身の強みはなんだったとお考えですか?

    今回の選挙に限っていえば、真面目さや誠実さを表現できたことです。『若いけど、ちゃらちゃらしてないな』というイメージが、お年寄りを中心とした方々に浸透していったと思うんですね。実際、お年寄りからの人気はすごかったですよ(笑)。

    選挙用品は合理的に利用

    みかも秀文

    選挙戦の準備に際しては、なにを心がけましたか?

    わからないことだらけでしたので、行き当たりバッタリでしたね。

    選挙を戦いながら、不足分を埋めていきました。

    選挙用品選びについて、独自の考え方はありましたか?

    ひとつの媒体でいかに露出度を高めるか。それと、ひとつの媒体で複数の役割をいかに果たせるか。選ぶ基準はそこでした。「選挙用品ドットコム」に決めたのは、米子地方ではいままで見たことがなかった選挙グッズが揃っていたからです。
    いろいろ提案していただき、予算と照らし合わせながら注文しました。

    補欠選挙ではポスターが決め手

    ポスターはどのように貼っていったんですか?

    10チームぐらいに分かれたスタッフが、それぞれ貼っていってくれました。意外に順調で、予定どおりその日の夕方までには貼れたそうですよ。
    やっぱり、ポスターの重要性は感じましたね。
    ふだんの任期満了選挙だと候補者が何十人も出ますから、ポスターを貼っていなくても目立たないんですよ。でも今回は補欠選挙で掲示板が少ないので、貼らないと目立つんです。
    そのぶん大きな会派の方は戦略的に進められていたみたいですけど、我々は全体的な人数が少なかったので、地道に進めていくしかなかったですね。

    立札は写真入りが基本

    選挙用品で差がつく場合もあるのでしょうか?

    みかも秀文

    『立札を見て入れた』という方もいらっしゃいましたから、立札は写真入りがよいと思いました。
    あと、よかったのは選挙用ポスターが一番しっかりしていたことです。
    雨が降ったとき、他候補のポスターはクシャクシャになったり剥がれ落ちたりしたんですが、うちのポスターはビクともしなかったんですよ。
    実際、そういうところでかなり差がついたと思います。

    当選までは、やはり不安

    投開票時はどのようなお気持ちでしたか?

    選挙カーでまわっている段階でかなり手ごたえがあったんですが、投票日が近づくにつれて『落選したらどうしよう?』と不安はどんどん大きくなっていきました。
    周囲は当選確実と言ってくれていましたが、本人としては胃が痛かったです(笑)。

    対立候補の揚げ足とりは御法度

    出馬する人が、「これだけはやっちゃだめ」ということはありますか?

    特にないですけど、でも僕の場合、できるだけクリーンに戦おうとは思いました。
    相手の欠陥を突いたり揚げ足をとったりするような方もいらっしゃいますけど、そういうことだけはしたくなかった。公職選挙法をきちんと守って、きちんとやろうと思ったんです。

    朝の街頭演説は意外に効果的

    逆に、効果があったのはどんな活動ですか?

    みかも秀文

    朝の街頭演説ですね。
    補欠選挙で立つ人は少ないと思うんですが、意外に効果的でした。補欠選挙の場合、選挙があることすら知らない方も多いですから、立つことによって伝えられますし。
    そして結果的に、「みかもっていう男が立ってたな」とおぼえていただけたわけです。
    逆に、効果がなかったのはポスティングですね。

    生活のすべてが激変

    当選して、なにが変わりましたか?

    周囲の目も忙しさもすべてが変わり、日々のプレッシャーも大きくなりました。
    それにひとつひとつの言葉が政治家としての重い発言となりますから、軽々しく発言できなくなりました。

    お金をかけずに動くこと

    これから立候補を考えている人に伝えたいことは?

    いま、選挙は変わりつつあります。工夫すれば、お金もかかりません。そのぶん多く動かなければなりませんが、古い体質を変えるためには重要なことなんじゃないかなと思います。

    みかも秀文様、本日はどうもありがとうございました。

    提供:選挙用品ドットコム