第一部 初出馬の町長選 井川さんのご紹介
こんにちは。今日はよろしくお願いします。それではまず井川さんの自己紹介をお願いします。
こんにちは。井川佳子と申します。2009年9月に豊能町議会議員選挙に無所属で立候補し初当選しました。立候補したのは今回2度目で、去年の9月に豊能町町長選挙に初出馬しました。今回初当選することができましたのは町民のみなさんやサポーターのみなさんの暖かいお力のおかげです。ありがとうございました。
選挙前の私は森林組合に11年勤めていた、子供が2人いる普通の主婦でした。
華道は嵯峨御流講師、茶道は表千家教授の資格を持っていて現在も自宅で教えています。
–井川佳子様 プロフィール- ・昭和34年生まれ 武庫川女子短期大学 教育課卒 ・幼稚園教諭、 豊能町役場非常勤職員を経て 大阪府森林組合豊能出張所勤務 H20退職 ・豊能町立東能勢中学校PTA会長(H17) ・嵯峨御流華道芸術学院派遣講師 ・茶道表千家教授 ・豊能町議会議員(H21初当選) |
コネも資金もない普通の母親が奮起、初出馬で町長選立候補
井川さんはどうして町長選挙に出馬しようと思ったのですか。
朝一番のバスでは息子の部活の朝練に間に合わず、私が片道50分もかけて送り、帰りも迎えに行っていました。
そのうち箕面グリーンロード(トンネル)が開通し、学校まで30分くらいで行けるようになったのですが、通行料が高く普通車で600円も取られるので気軽に利用することができません。バスが箕面グリーンロードを通ってくれたら、私たちの生活はかなり便利になります。
ここは緑豊かで環境は抜群なのですが、交通の便が不便なことで町を出て行く人も多いのです。黙っていては行政は何もやってくれません。
それなら自分で何とかしようと思い立ち、立候補することにしました。
いきなり町長選に立候補。周りの反応はいかがでしたか。
どうして町議ではなく町長に立候補したかというと、私が望んでいるバスの便をよくするには、町議では超えなくてはいけない問題が多く、町長にならないと実現できないと思ったからです。
私は温厚で大人しく見られていたみたいなので、みんな声も出ないほど驚いていました。「話が性急すぎる」とか「まずは町議になって勉強してから」と言うきびしい声もありました。
そんな中で息子が「お母さんならこの町を変えられる。出馬すると誓って」と一番の後援者になってくれました。
お向かいの奥さんからも「ホントすごいね。私ここを出て行こうと思っていたけど本気で変えようとするなんて。是非、一緒にがんばろう!仲間を募ろう!井川さんのこともっとみんなに知ってもらおう」と言っていただき、気がつくと手を取り合っていました。
また、お華とお茶の弟子の奥さんは「今回の選挙で推したい人がいなかったけど、先生を推させてもらいます」と応援してくれました。
みんな町をよくしたいと思っている。選挙にも興味を持っているとうれしく思う気持ちと同時に、気も引き締まる思いでした。
出馬に際して不安はありませんでしたか。
お金やブレーンなど私には何もありませんでしたが、多くの人の力を借りられるような気がしていました。
寄付を募るには抵抗がありましたので、たくさんはありませんが今まで働いて貯めてきたお金を資金に、出馬することにしました。すべて自己資金です。
コネもブレーンもありません。支えはサポーターのご家族、ご近所、お茶とお華のお弟子さん、PTA仲間の主婦たちです。サポーターがいてくれたので心強かったですね。
選挙活動では、彼女たちや彼女たちのご主人の善意で、うぐいす嬢や選挙カーの運転もすべてやっていただきました。主人は会社を、娘は大学のゼミを休んで5日間フルで応援してくれました。舅や姑、父母、主人の弟夫婦も遠くから駆けつけてくれました。
組織票にはかなわず落選。もう出馬する気はありませんでした
町長選、大健闘でしたが落選してしまいましたね。
はい。正直なところ、組織票にはかなわないと思いました。落選はしましたが、私のいただいた得票数は供託物没収点以上ありましたので、供託金は返却してもらえました。でも貯金は100万円ほど減りました。
供託金とは |
出馬の時に国に預けるお金のこと 指定都市以外の市の議会の議員の30万円から衆議院、参議院、都道府県知事の300万円まであり、町長選の場合は50万円 (町議の場合は供託金はなし) 得票数により、返却されるか未返却となる |
供託物没収点 |
町長の場合 有効投票総数×1/10 |
支持してくださった町民のみなさんや、一緒にがんばってくださったサポーターのみなさんありがとうございました。このような結果になってしまい、みなさまのお気持ちを考えると、申し訳のない気持ちでいっぱいでした。
それなのにサポーターのみなさんは、初選挙を楽しめたと言ってくれました。町民の方からもクリーンで手作りの選挙が好感をもたれていたようで「来年の町議選にでたら」と勧められたのですが、もう出馬する気はありませんでした。
その後、行政側からバスのアンケートが配られ、少しは進展がみられたようです。
これで私の町長選は終わりを告げました。2008年9月のことでした。
第二部 初当選の町議選挙 「で、もう町議はあきらめたの?」主人の一言で出馬を決意
それでは今回、どうして町議に出馬することになったのですか。
最初は出馬するつもりはありませんでした。ところが、町長選のときに交通至便な町にということをマニフェストにしていたので、他の地区でも同じような悩みを持っている方々から相談を受けるようになっていました。
また、隣町のオンブズマンの会長が前回の町長選を見ていたらしく「町長選によくでられましたな。一市民が頑張るべきなのです。しんどいでしょうけど善は必ず勝ちます。あきらめずに頑張ってください。」と背中を押してくれました。素人が立つ選挙は珍しいので印象に残っていたようです。他にも遠方からわざわざ出向いてくださった方やサポーターの方から「町議に出て勉強してみてはどうか」と励ましを受けるうちに、もう一度やってみようかと考え直しました。私の気持ちは町議選への出馬へ向かっていました。
ところがそんな矢先に大企業の労総などの大きなバックを持つ新人候補が出馬するという情報が入ってきたのです。
私は前回の苦い経験から、一度は出馬をあきらめようと思いました。
私の様子を見ていた主人の「で、もう町議はあきらめたの?」という一言で、思い直しました。
大きなバックがある人たちはプロの選挙をするけれど私たちは素人の手作り選挙でもいい。
自分たちの思う通りの選挙をすればいい。そう思い、みんなに声をかけて手伝いを頼みました。
その頃には選挙までもう1ヶ月をきっていました。
斬新なデザインの選挙用品で再出発
選挙用品はどのように選びましたか。
最初の町長選のときに、隣の市にある印刷屋さんにハガキの印刷を頼んだのですが、仕上がるのに何と1ヶ月もかかりました。
他の大型選挙と重なり手詰まりだったのかと思いネットで選挙用品を検索しました。検索していく中で選挙用品ドットコム に目がとまり選挙用品を揃えました。
選挙用品ドットコムのどのようなところに目がとまったのですか。
テレビドラマで見た、俳優さんが身に着けていたものと同じ選挙用品があったからです。
他にも、斬新なデザインのポスターや自分の車が※選挙カーに変身するキットが気に入りました。
※『政治・選挙用広告マグネットシート看板』【実用新案登録第3153981号】
実用新案権者:株式会社マテリア (選挙用品ドットコム運営会社)
ネットで選挙用品を購入する事に不安はありませんでしたか。
最初は顔が見えないことと、きちんとした会社なのかわからないという不安はありましたが、よくホームページを拝見していくと、利用してよかったというコメントがたくさん載っていたので少し安心しました。
実際に、お電話で問い合わせをしたときの田村さんは、とても親切で迅速な対応をしてくださったので選挙用品ドットコム さんにお任せしようと思いました。
私の経験から選挙用品を購入する場合、地元のお店よりも逆に、ネットのお店のほうが安心感がありました。
どうしてネットのお店のほうが安心感があると思われますか。
先程お話した印刷屋さんが、印刷に時間がかかった理由を後から教えてくれたのですが、大きな組織の圧力がかかっていたそうで、びくびくしながら私のハガキの作成をやっていたようです。
その話を聞いて、地元で手配をするのは、公平に扱われず怖いと思いました。
初出馬という立場では、選挙用品を買うなら、逆に利害やしがらみなどのない通販で買った方が安心だと感じました。
実際にどのような選挙用品を揃えたのですか。
ポスターと拡声器、たすきと写真つき看板、選挙カーキット、後援会のハガキとピンクのシャツ、帽子、ジャンパーです。
選挙用品ドットコムで作成したハガキ顔写真は裏面
みんなでひとつの方向を向いてがんばった手作り選挙
手作り選挙の様子を教えてください。
はい。私たちは、ポスターなどの選挙用品以外は自分たちですべて考えて作ったり、行動しました。今回は街頭演説をサポーターと駅やスーパーの駐車場に立ったり、桃太郎隊と称して鬼退治に行く桃太郎たちのように、サポーターと並んで道を歩いて「生」井川と接する機会を増やしました。
今でも思い出すのですが、初めての街頭演説の時はとても勇気がいりました。普通の主婦がメガホンを持って話すのですから。
「生」井川と、「よ」しこ作戦が功を奏し、かなりの方が、私の顔と名前を覚えてくれました。
また、前回の選挙のときのことを覚えてくれていた人もいて「町長選はあんたに入れたで」とフレンドリーに声をかけていただきうれしかったですね。
桃太郎隊が選挙違反になるのですか。
桃太郎隊自体が選挙違反になるわけではありません。問題はメガホンでした。
桃太郎隊を思いついたときに、選挙用品ドットコムさんにメガホンを注文したんです。
田村さんから「メガホンはスピーカーとして扱われれるので選挙違反になる可能性がありますよ」とアドバイスを受け驚きました。
スピーカーは各候補1つだけという決まりがあります。その事は私も3冊ほど本を読んで、何が違反になるのか勉強していたので知っていました。
メガホンが拡声器ということで、スピーカーと同様に扱われるとは気がつきませんでした。
実際にやってみないとわからない事もあるんですね。田村さんからのアドバイスで助かりました。
追っかけが出るほど大人気の赤い選挙カー
選挙活動中に印象に残ったことはありますか。
写真つきの看板と赤い選挙カーのおかげで、たくさんの方とふれあう事ができたことです。
写真つきの看板はとても目立ちました。町内に候補者の看板を置く場所があり、他の候補は名前だけだったので、私の看板の写真はすごく目立ちました。
そのおかげもあり、街を歩いていると「あっ、井川さん」とたくさんの方から声をかけてもらえました。
赤い選挙カーは、私の愛車を使用しました。こちらも他の候補者は白い車体だったので目立っていました。
選挙カーとは思えないかわいい車ですね。
はい。ありがとうございます。この車はかわいいイメージで選挙カーという厳つさがなかったので小中学生に大人気でした。
この選挙カーも手作りなんですよ。スピーカーをつけて、写真入のマグネットを貼れば自家用車が選挙カーに大変身。女性の私でもすぐ取り付けられます。
このマグネットは選挙用品ドットコム さんの選挙カーキットのもので、私のイメージカラーはピンクということをお伝えし、おまかせで作ってもらいました。
ベースが黄色で名前がピンクの斬新なデザインでとても気にいっています。
当選おめでとうございます
開票時の様子を教えてください。
娘やサポーターの方は開票所に行っていたので、開票時には自宅事務所に主人と息子の三人で結果を待っていました。私たちは娘からのメールの連絡や、パソコンで開票状況情報を確認していました。
娘からの情報で下から3番目との情報が入り、あきらめかけていると、どこから聞いたのかわかりませんが「おめでとうございます」と自宅事務所に、人がお祝いに来て くれました。
当選おめでとうございます。当選が決まった時のお気持ちは。
どうもありがとうございます。私に投票してくださった町民のみなさんや、お手伝いいただいたサポーターのみなさんに感謝しています。
とてもうれしかったのですが、意外と冷静な気持ちで当選を受け止めていました。みんな喜んでくださり、メールが届いたり、電話がかかってきたり、訪問してくださったりととても賑やかでした。だんだん時間が経つにつれ、期待を受けた重みを感じましたね。
失敗を成功に変えて初当選の勝因は
今回、当選した勝因は何でしょうか。
一番の勝因は、みんなで町を変えていこうという思いが町民のみなさんに伝わったことだと思います。あとは以下の3点でしょうか。
・明るいイメージ
赤い選挙カー、サポーターの明るい声やピンクのTシャツなど明るいイメージ
・ポイントを絞った街頭演説
昼間にポイントを絞って街頭演説をした事で、たくさんの方に話を聞いていただけた事
・短いキャッチフレーズ
「豊能町の明るい未来を実現する」という地域にあった短いキャッチフレーズを盛り込んだ事
これから出馬する方へのアドバイス
出馬を考えている方へのアドバイスをお願いします。
選挙用品選びは、地元近くより遠くのほうがしがらみもなく安心ですよ。
選挙用品ドットコムへの今後の期待
選挙用品ドットコムへの今後の期待をお願いします。
これからも斬新なデザイン、明るい選挙を目指してほしいですね。
豊能町の皆さまへ 井川町議からのメッセージ
井川町議から豊能町の皆さまへメッセージをお願いします。
家族や主婦のサポーターが時間を割いて手伝ってくれたこと。
お華とお茶のお弟子の奥さんが相談役になってくださったり、ご近所の奥さんの参謀ぶりにも大きく助けていただいたこと。
まだまだたくさんあるのですが、みなさまの善意が心の支えになりました。
ありがとうございます。
ここからは町議、井川佳子からのメッセージです。
いつもまでもこの町に住めるようみなさんと共に歩みます。不便さを打破し、主婦の目で町政の無駄を省いていきます。
井川様、お忙しいところインタビューにご協力いただきありがとうございました。
井川さんのお話を聞いているだけで、勇気がわいてきて元気のパワーをたくさんいただきました。
選挙活動のお話をお聞きしているうちに、みなさんの結束力の強さ、井川さんの町をよくしたいという思いが伝わってきて私まで目頭が熱くなりました。町民のみなんさんが井川さんを応援したくなる気持ちがわかります。
私も選挙活動のお手伝いをしたくなりました。