「スピード感と的確さが決め手。」

「スピード感と的確さが決め手。」

2か月弱という短い選挙戦を、手作りの選挙活動で乗り切り、当選を果たした杉本議員。福祉の政策を推進したいという情熱を持つ42歳の若き政治家は、何を志し、何に悩み、どのような選挙活動を行ったのでしょうか。その実像に迫ります。

インタビュー内容

    自己紹介をお願いします。

    東川町議会議員の杉本岳大です。大学卒業後、民間企業に就職したのち、32歳の時に福祉の仕事に興味があり、福祉業界に転職。現在も議員活動のかたわら、東川町でケアマネージャーの仕事をしています。現在勤めている法人から以前、町役場に出向する機会があり、役場で1年ほど福祉事業に携わっていました。その時点までケアマネジャーとして福祉の現場に携わってきましたが、町役場での出向を通じて、福祉と行政が密接に関わっていることを実感しました。現場で問題化していることも、行政を改革しなければ、福祉の現場も改善しないことが分かりました。出向から勤務先の法人に戻るタイミングで町議会選挙があったため、立候補することを決断しました。まだ若く、経験も少ない私でしたが、行政から福祉の現場を良くすることができないかを考え、立候補し、2019年2月の町議会議員選挙に当選しました。

    立候補するかどうか、迷いはありませんでしたか?

    家族に相談し、立候補を決断してから地域の方にも相談しました。すると「現職の議員は年齢も重ね、ちょうど世代交代の時期にも差しかかっている。杉本さんはまだ若いが、挑戦してみたらいいのでは」という肯定的な意見をたくさんいただきました。立候補してから2か月弱で選挙を迎えるという、後援会もない手作りの選挙活動が予想されましたが、有り難いことに職場の仲間や町内の皆さまからたくさんの応援やお声がけがあり、また家族も賛成し、一緒に頑張ってくれたことで、迷いなく選挙に立ち向かうことができました。

    選挙戦に向けての準備はどのように進められましたか?

    選挙にあたっての準備は、まず選挙用品を探すところからスタートしました。選挙用品を発注した決め手は、インターネットで検索し、一番信頼できそうな会社だと感じたことと、以前御社の田村社長の書籍を拝読したこともあり、すでに御社の存在を知っていたため、御社に発注することを決めました。他の業者にも相談や見積をしましたが、一番御社がレスポンスも良く、依頼しやすかったこと、またホームページを見て、自分の作りたい選挙用品を作ってくれるイメージが湧いたことも決め手の一つです。選挙活動期間が2か月弱と非常に短かったため、大規模に後援会があるわけではありませんでしたが、地域の方のサポートと、口コミで私のことを広げていただけたため、準備をスムーズに進めることができました。

    選挙用品の色やデザインはどのように決めましたか。

    私のイメージカラーや私の考えるデザインの候補を御社に相談すると、複数の候補をご提案してくださいました。私が作りたいもののイメージを伝えるだけで上手にそれをくみ取り、いくつか候補を出してくださったため、ストレスなく、スピード感を持って作ることができました。選挙用品は、有権者の方に自分を知っていただく最初のツールだと考えています。そのためお金も時間もしっかりと使い、こだわりを持って作ろうと思っていました。特に私の場合は、他の候補者に比べて年齢が一番若く、差別化したいと考えていたため、どのようなデザインにするかは非常に重要だと考えていました。そのため自分のイメージするものにマッチするデザインを考えてくださった御社には、大変感謝しています。

    選挙戦の戦略はどのように立てましたか?

    第一は、他の候補者との差別化です。他の候補者は選挙カーで地域を周る方が多かったのですが、私は地域を歩いて、たくさんの有権者の方と立ち止まって色々なお話しをしました。冬場の北海道なので非常に寒い時期でしたが、例年になく暖冬だったことも、道を歩きながら選挙活動するスタイルの後押しをしてくれました。選挙戦が終わってみると、有権者の方から「あそこで立って演説していましたね」などのお声をいただくことが多くあり、記憶に残りやすかったのかな、と思います。

    選挙戦を戦うにあたって、辛かったことはありますか。

    街頭に立ち、手を振ったり演説をしたりなどの選挙活動をしていましたが、やはり興味を示すことなく、過ぎ去っていく方がほとんどでしたので、時より気持ちが落ち込むこともありました。人から反応されない、無視をされる、という経験が今までになかったので、仕方ないことなのですが、孤独な戦いに感じました。しかしその中でも反応をくださったり、応援の言葉をかけてくださったり、手を振り返してくださる方もいらっしゃいました。その有権者の方々に支えられ、最後まで前向きに選挙活動を行うことができました。

    これから選挙用品を揃える方にアドバイスはありますか?

    多くの方は他の候補者と似たようなものにならないよう、差別化したいと考えていると思います。ただ、あまりにも奇抜なものを作ってしまうと好き嫌いが分かれ、有権者の方に有権者の方に受け入れられないこともあるので、差別化しつつ、あまり奇抜すぎないバランスが重要だと考えています。選挙用品ドットコムさんはその点、長年の経験で培われた的確なアドバイスをくださるので、私としては自信を持っておすすめできます。自分の想い、イメージを伝え、信頼できる業者の意見も参考にしながらバランスの取れた選挙用品を揃えることが大切ではないでしょうか。ほかには、自分一人でデザインを決定するのではなく、色んな方の意見を聞くことも大切だと思います。ほかの方がどう感じるか、客観的な意見が欲しかったので、私も周囲の方々にポスター案をお見せしました。そうすることで自信を持って選挙用品のデザインを決定することができました。

    当選の知らせはどちらで聞かれましたか。

    選挙事務所兼自宅の防災無線で、夜間、妻と開票速報を聞きました。正直なところ当選、落選の手ごたえがなかったため、とてもドキドキしていたのを覚えています。大きな選挙になると経験豊富なスタッフがついてくれ、当選・落選の可能性なども教えてくれるかもしれませんが、私はただ地域を歩き、そこで出会った有権者の方とお話しするという地道な選挙活動でしたし、初めての経験だったので、とにかく蓋を開けてみないと分からない、という状況でした。そのため当選の知らせを聞いた時は、本当にホッとしたのが印象に残っています。

    勝因について、どのように考えていますか。

    選挙は始まる前から、勝敗が決まってしまうものだと考えています。どれだけ準備をしっかりとするか、また普段から地域の方とよくコミュニケーションを取り、いかに信頼関係を築けているかが大切ではないでしょうか。私の場合は福祉の仕事を通して普段から地域の方と関わり、有難いことに信頼していただいていたことが、勝因になったのではと考えています。そのため、例えば4年後の選挙に立候補したいと検討している方には、今からの準備でも早すぎることはないと思います。日頃の活動をしっかりと行うことで、手作りの選挙であっても良い結果に結びつくと考えています。

    これから立候補を目指す方にメッセージをいただけますか。

    立候補を検討し、迷っている方もいらっしゃると思います。しかし立候補できる環境であるのであれば挑戦してほしいです。それも機を逃すことなく、なるべく早く、挑戦する年齢も若い方が良いと思います。高齢になってしまうと政治家としてできる範囲が狭まりますが、若ければ今後の展開も考えられます。1期目では達成が困難なことでも、2期、3期と積み重ねることにより、応援してくださる方が増えたり、自分自身の視野が広がったりすることで、地域に貢献できることが多くなると考えています。私もまだ政治家になって間もないため、分からないことも多々あります。現在は42歳ですが、50歳になった時、またさらに違う方法で政治に関われると思っています。

    今後の目標を教えてください。

    現在も福祉の仕事をしているので、町の福祉の政策に重点的に取り組んでいきたいと考えています。他の議員からも「福祉のことは杉本に任せておけばよい」と信頼されるような存在になりたいですね。私を含めて議員は12名いるので、皆さんと協力しながら、より良い福祉の提供に努めていきます。今後、ますます福祉は厳しい状況が予想されます。現在表面化していないことも、ほんの数年後には問題化するでしょう。福祉は国からルールや枠組みを設けられていることが多いですが、その地域や町それぞれ福祉の環境は違います。そのためなるべく東川町に合った福祉の政策を進めていきたいです。それは前例がないことですが、前例がないことについては、行政は積極的に動かない傾向にあります。しかし失敗を恐れず、行政と議員が一体になって良い方向に進めることが、今後の東川町の福祉を良いものにできると信じています。

    お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

    【編集後記】
    町の福祉の改革に情熱を傾ける杉本議員。福祉の現場と行政を知る杉本議員だからこそ、今後、町の実情に即した政策を展開されていく期待感を持ちました。誠実で柔らかな語り口から、普段の議員活動でも、ケアマネジャーとしても、地域の方とのコミュニケーションを大切にされていることがうかがい知れる取材となりました。今後のご活躍が楽しみな町議会議員です。