「家族や周囲の大反対の中、絆や友情で当選へ!?」

「家族や周囲の大反対の中、絆や友情で当選へ!?」

音楽の世界から政治家を目指されたという、異色のご経歴を持つ伊藤健太さん。出馬当初は周囲からの大反対にあいつつも、政治家になる志を持ち続け、4年間仕事をしながら一生懸命政治の勉強をされたそうです。その伊藤さんが予想していた得票数よりもかなり多く、新人の中でトップ当選するまでの道のりを、時系列に沿って見てみましょう。

インタビュー内容

    市議会議員になるまでの、ご経歴を教えてください。

    私は音楽の専門学校を卒業し、将来ミュージシャンを目指し、音楽活動をしていました。
    30歳を超え、音楽活動に身を投じる中で、歴史的な政権交代が起きたり、東日本大震災が起こったりして、地方や日本全体が元気をなくしているように感じました。そこで自分が生まれ育った町へ帰り、この町を元気にするためのお仕事はないか考えるようになり、本格程に政治家を目指すことに決めました。

    立候補すると聞いて、周囲の方はどのような反応でしたか。

    もちろん、両親や友人に大反対され、多くの友人は私から離れて行ってしまいました。何となく政治の話は近しい人間同士でも話すことはタブー視されていて、またそれぞれの政治的な理念もあるので、受け入れ難かったのでしょう。そのため次の選挙では応援してもらえるよう、その後の4年間で、目いっぱい力をつけ、勉強しようと考えました。初めは大反対だった友人や家族も、私が4年間信念を伝え続け、また本気で勉強をしている姿を見て、段々と応援してくれるようになりました。選挙の時は支援者として、私の活動を支持してくれるようにまでなったのです。

    立候補を決めてから立候補するまで、どのようなことをしましたか。

    地盤も看板も何もない私が当選し、自分の信念を成し遂げるには、どうすれば良いか、考える日々が続きました。そんな時に仕事もうまくいかず、精神的にも大きく落ち込んだこともあり、一時は自殺まで考えるようになったのです。その中で御社の田村代表が執筆された「28歳で政治家になろう」という本に出会い、非常に勇気づけられたことが印象的です。それからまた介護の仕事に前向きに復職することができ、選挙用品ドットコムを知るきっかけにもなりました。もし若い政治家志望の方がいらっしゃれば、私はぜひあの田村代表の本をプレゼントしたいと思っています。それくらい、私にとっては勇気とパワーが満ち溢れる書籍だったのです。「あの本と出合わなければ、恐らく今の自分はない」。今でははっきりと断言することができます。こらから立候補される方にはぜひ、読んでいただきたい書籍です。田村代表が無料配布されているDVDやニュースレター、メルマガもぜひ購読して、今後の参考にしてもらいたいと思います。

    支援者はどのように増やしていきましたか。

    知り合いの議員さんとお話しする機会もありましたが、インターネットで国民民主党が若手の議員や女性議員を公募しているのを見つけ、無事、国民民主党から公認をいただくことができました。これでようやく看板ができたことについて、ホッとしました。しかし後援会も組織していませんでしたが、選挙の準備期間が1か月程度しかなく、全く時間的な余裕がありませんでした。具体的に、1月に立候補を決め、その後1カ月ほどは下準備や勉強に費やし、後援会を立ち上げたのが2月末だったので、実質選挙当日まで1か月半ほどだったのが印象に残っています。支援者の方は国民民主党の議員をされている方などが一緒に応援演説をしてくださったり、選挙事務所に労いの言葉をかけてくださったりと、時間がない中、大変な支援をいただきました。

    選挙用品ドットコムに依頼したご感想を教えてください。

    かねてから田村代表の書籍は愛読していましたので、ぜひサービスを利用したいと思っていました。予算の関係で結局、タスキのみの注文となりましたが、選挙用品ドットコム様ではパーソナルカラー診断などもされていて、それを参考に、自分で心理学上のパーソナルカラーを探し、依頼させていただきました。お金がなかったため、サービスの内容を教えていただいた上で試行錯誤しておりましたので、非常に助けていただき、感謝しています。もちろん発注したタスキにも、何の文句もなく、リーズナブルでありながら品質の高いものを作っていただけて、心より感謝しています。

    選挙用品の重要性や役割をどうお考えでしょうか。

    まずは「見やすく」「分かりやすく」が最も大切ではないでしょうか。選挙期間中の一週間しかポスターやタスキ、リーフレットを見る機会が少ないので、なるべく選挙期間中に目に留まりやすいものを作成することが大切だと思います。デザイン性の豊かさやポップな色合いは、年配議員が嫌う傾向にあるため、逆に若い議員さんたちは、もっとデザインや色、配色などを研究し、こだわりを持ち、独自の選挙用品で選挙を戦っていただければ良いと思います。

    勝因は何だったと思いますか。

    やはり、家族と仲間の存在が大きかったですね。私の家族は前述の通り、最初大反対でしたが、私の地元にかける熱い想いと本気さに動かされ、積極的に応援してくれるようになりました。そういう意味では、一番近い存在である家族に、自分が成し遂げたいことを伝え続けてよかったと思います。また私の友達だけでなく、友達のお父さん、お母さんたちも広く応援してくださり、地域の皆さまの縁に恵まれ、また自分の志を同じくする国民民主党との関わりが出来たことが勝因だと考えています。家族の絆や仲間の友情、地域の方々の信頼を得られたことが、私の何よりの財産になりました。また着々と選挙の準備を進めていく中で、OBの市議会議員の方や、同じ党の国会議員の方が駆け付け、応援演説をしてくださったこともありました。ある一人の市議会議員OBの方が後援会会長を急遽務めてくださるなど、本当にたくさんのご支援をいただきました。街頭演説、事務所開き、個人演説会などでも挨拶してくれ、選挙期間中も事務所に足を運び、運動委員さんに声をかけてくださり、パワーをいただけました。

    選挙活動で重視したのはどのようなポイントですか?

    都市部の議員さんは道路や地下鉄の駅の入り口で挨拶をしていたり、自転車で移動したりしていますが、私たちの地方の場合は、あまり自転車に乗りながらの選挙活動は行わない傾向にありました。そのため私は「元気に自転車で選挙活動をしています!」ということを前面に押し出して、自分の旗を自転車に差して移動するなど、とにかく目立つことを実践しました。また同じ場所に毎日立つのではなく、時間帯をずらして色々なところで街頭演説をすることもポイントです。他の議員さんは、毎日同じ場所に立って街頭演説を行っている方が多かったのですが、あらゆる場所に、時間帯を変えて足を運んでいるというイメージを持っていただけたと感じています。ほかにも私はタスキをかけて、周辺を走ったりもしていました。歩いている有権者の方々からは「何やっているの?」とお声がけいただくことも多々あり、「選挙活動です。次回の市議選に立候補予定ですので、ぜひ注目してみてくださいね!」など、コミュニケーションを取っていました。

    選挙活動では、自分が所属する政党や組織の中できちんとご挨拶をすることも大切ですが、自分のことを全く知らない方にこそ、知っていただく活動が大切だと考えています。私は、選挙カーをなるべく公費を使わないように自家用車で手配しましたが、予算の関係上、車の上にキャリアを組んで上に看板を立てることはできなかったので、安いスピーカーを手に入れ、自分で配線をし、周辺を周りました。

    まさに手作りの選挙でしたが、それでも強い志と、それに行動が伴っていれば、きっと当選は夢ではないと思います。

    選挙活動をする際に、気を配ったことはありましたか?

    ほかの議員さんと同じようなことを話たり、うぐいす嬢の方に同じ内容を話していただいたりするのはあまり効果的ではないと思いました。そのため、台本を丁寧に作り込んで、伝えたいことを上手に伝えられるように、特訓もしてもらいました。レジェンドうぐいす嬢さんの話し方のトーンも研究しました。また陣営の方が楽しんで選挙活動できる環境作りにも心を配りました。選挙と言えば「お金もかかる」「体力も消耗する」と思っている方もいらっしゃるかと思いますが、市民は18歳以上になると誰でも選挙権がありますので、自分で発信して選挙を作ることに喜びややりがいを感じてほしいと思っていました。そのためどんどんアドリブも入れていただいて「そのアドリブ良いですね!ありがとうございます!」と積極に想いを伝えるようにしていました。そして4年後や8年後もまた、私の運動委員としてお手伝いしてくださると、これ以上嬉しいことはないです。

    選挙活動を通して失敗したことは何かありましたか。

    どこでどの時間帯で街頭演説をすると迷惑にならず、聞いてもらいやすいかなどは、正直リサーチ不足で、今度の課題だと思っています。また個人演説会など、大切な場面での話し方があまり上手でなく、参加者の方からご指導いただくこともありました。しかし1か月という短い選挙期間の中、「やり切った」という満足感があるので、改善点は今後しっかり向き合っていこうと思います。

    選挙活動を通して、心に残ったエピソードはありますか。

    私は選挙権の有無に関係なく、本当に色々な年齢層の方に語りかけるようにしていました。若い学生さんには政治や選挙のしくみ、一人ひとりの投票の重要性について、学生さんが分かるような例を出して丁寧に伝えていました。するとある高校生が「僕、18歳になったばかりです。今回は何の選挙をしているかも知らないし、市議会って何をするところですか?」と尋ねてこられました。その時、18歳でも理解できるように、年間の予算を子どもたちの1年のお年玉ととらえ、「あまりゲームを買いすぎていないか、文房具にどれだけのお金を費やしているかなど、予算を制限することが、議員や議会の仕事だよ。」「また、まちの人たちが困っていることを議会で質問することが1年間で4回できるので、議会に市民の声を届けてることで、さらにまちは良くなっているよ!」と丁寧に伝えました。その高校生は「すごく分かりやすかった。これからお父さん、お母さんと投票所に行くのを楽しみにしています」と言ってくれました。有権者かどうかではなく、 もっともっと若い世代にも政治に興味を持ってもらいたいと思ったきっかけでした。

    選挙を通して、失敗したことはありませんでしたか。

    準備期間が短かったことが、やはり失敗だと考えています。しかし失敗しても修正したら成功につながると心得ていたので、むしろポジティブに進んでいくことができました。

    将来立候補を目指す若い政治家候補の方へメッセージをいただけますか。

    政治家になりたい」という強い夢があるなら、夢は叶うと思います。私も4年前に周囲から反対されましたが、「いつかは必ず説得する」と思い、周囲に働きかけることで、当選を果たしました。ただ頭の中で政治家になりたいと思っているだけではなれませんが、日々の生活で常にアンテナを張り、政治家になることを意識し続けることが大切です。もし政治活動や選挙活動の中でうまくいかないことがあっても、一時の恥であり、一生の恥ではありません。勉強したいと強く思い、周囲に働きかければ、教えてくださる方は必ずいるはずです。ぜひ若い頃から、政治の世界に挑戦してもらいたいと思います。

    お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

    【編集後記】
    幼老青+障害を持つ方々への政策に燃える若き政治家、伊藤さん。最初の開票速報では800票だったものの、最終的には1,100票もの票を得られました。今回ご紹介したそのための実践法は、どなたも実践できることばかり。ぜひ伊藤さんの選挙の経験を参考に、より良い選挙活動を行ってくださいね。