「私らしさを出す選挙用品を作りたい。だから、信頼できる所に頼みたかった。」

「私らしさを出す選挙用品を作りたい。だから、信頼できる所に頼みたかった。」

~チャレンジに年齢制限なし!挑戦こそ生きる底力~ 新潟県・五泉市で、経営者として活躍していた松井さとしさん。価格破壊の大波に巻き込まれ、閉業を余儀なくされました。第二の人生をかけて挑んだのが、2011年10月五泉市議会議員選挙。周囲に、選挙に詳しい人がいない初出馬。松井さんは、一冊の選挙攻略本を頼りに「後援会入会者集め」、「ローラーご挨拶」中心に選挙戦に取り組み、見事初当選しました。出馬を機に始めたツイッター、フェイスブック(※)による、若い世代との交流状況も交え、松井さん流の戦い方を詳しく伺いました。 ※ツイッター:140文字以内の短い投稿(ツイート)を入力して、みんなで共有するサービス。フェイスブック:原則実名公開のSNS(ソーシャルネットワークサービス)の一つ。SNSとは、人と人とのつながりを促すコミュニティ型Webサイト。

インタビュー内容

    松井さとしさんの自己紹介

    まず自己紹介からお願いいたします。

    はい。五泉市議会議員、松井さとし、59歳。生まれも育ちも五泉市です。
    市民の声を市政に反映するために、市政に関わる公務員たちを動かすのが私の役目。民間での経験を活かし、より良い市政への提言をしています。

    松井さんが、出馬された理由をお聞かせ下さい。

    省エネアドバイザーとしての私の知識が、市政に活かせるのではないかと考えたからです。

    もともと私は、ニット製品の製造会社「松信(まつしん)」を経営していました。五泉市は、ニット製品の産地なんです。しかし平成の時代に入ってから、安い輸入物が国内にどんどん入ってくるようになり、ニット業界は厳しい状況に陥りました。

    私は同業者を集めて、販促活動に全力を注ぎました。地元でのガレージセール開催、神戸の芦屋や東京の広尾への出店…。活動は、一種の町おこしととらえられ、地元テレビに何度も取り上げられました。私も、活動のリーダー役として度々取材を受けました。ガレージセールは、一時期、観光客がバスを連ねてやってくるほどの盛り上がりを見せます。しかし長くは続かなかった。

    国産の商品価格は、採算が合わないぐらいまでに下落。同業者が倒産に追い込まれていきました。 弊社も、とうとうニット製造業の閉業を決断することとなりました。

    その後私は、今後の社会動向を考え、「地域カーボン・カウンセラー(※)」の資格を取得。知識を活かして、地域の方や、企業を対象に省エネアドバイザーとして活動したり、新潟県地球温暖化防止活動推進委員を務めたりしてきました。気がつくと、CO2削減に関しては、私の方が役所の環境保全課の人より詳しいぐらいになっていました。
    ※地域カーボン・カウンセラー:自治体等の各種関係機関と連携・協力しながら、CO2削減の指導やアドバイスを行う。

    「私の知識は、これからの五泉市に役立つのではないか」

    政治家になれば、経営者時代の人をまとめて物事をなす経験も活かせる。商売に励んでいた頃は、お客様の役に立てるのが一番の喜びでした。今度は、「政治家になって、皆さんのお役に立てれば、嬉しいのでは」と、市議会議員選挙への出馬を決意しました。

    出馬について、ご家族の反応はいかがでしたか。

    妻は「やってみれば」と言ってくれました。3人の子どもたち、社会人である30代の長男と次男、大学1年生の長女は、特に反対することはありませんでしたね。当初、反対していた85歳になる私の母が、最終的に「あんたの人生だから、好きなようにしなさい」と言ってくれたのでほっとしました。

    58歳の私にも役立った選挙攻略本「28歳で政治家になる方法」

    出馬を決めてから、どのように選挙への準備を進めましたか。

    私には出馬についての知識はありませんでしたし、周囲に選挙に精通している人もいなかったので、まず議員になるための本を探しました。

    手にした本の中に選挙用品ドットコムの本「28歳で政治家になる方法」がありました。この本には、選挙までの90日間(3カ月)に何をどうすればいいか、スケジュール表付きで詳しく書かれていました。たまたま私が本を読んだのは選挙の約4カ月前。私の状況にぴったりの内容だったので、選挙用品ドットコムの本を参考に自らの政治活動や選挙運動を考え、どんな選挙用品を制作するか決めていきました。本のタイトルには28歳とありますが、当時58歳の私にも役立ちましたね(笑)。

    選挙用品ドットコム代表 田村亮著:
    「28歳で政治家になる方法」

    (詳しくはコチラ>>)

    28歳で政治家になる方法

    「90日当選スケジュール」(画像は「投票日まで30日ー1日」分)
    選挙準備から当選までのノウハウを、90日のスケジュールに落とし込んだ
    【出典:「28歳で政治家になる方法」(P190~P191)

    後援会入会者1,000人を集めた方法

    本を頼りに、どのように政治活動を進めましたか。

    主に血縁を活かした後援会への入会者集めに、力を入れました。
    選挙の約3カ月前に当たる7月に、後援会事務所を、弊社、松信の社内に置きました。会社は、市内の一等地にあるし、駐車場も備えているので、後援会事務所を設けるには最適でした。

    8月に、親戚たち(私、私の妻、長男の嫁のそれぞれの親戚)と30代のせがれ達の友人、総勢20人に集まってもらいました。この20人のメンバーが後援会入会者を集めてくれました。また、気心の知れた73歳のいとこは、政治活動中、私の右腕となってくれました。

    松井さんは、生まれも育ちも五泉市と伺いました。ご親戚以外に、友人たちには、声をかけましたか。

    現在付き合いのある、仕事関係の友人たちの中で、本当に親しい人だけに、声をかけました。「出馬で友達をなくす」と感じたことがあったので。

    どういう時に「出馬で友達をなくす」と感じたのでしょう。

    酒の席で、政治を巡って、友人と意見が対立し、険悪なムードになってしまった時です。 多くの人が政治について主張を持っているから、政治は火種になりやすい。出馬がきっかけで、お互いの政治についての考えの違いが明らかになれば、友人関係がぎくしゃくするかもしれない。無用なリスクを避けるために、親しい友人だけに声をかけました。声をかけたといっても、出馬の意向を伝えて、後援会入会案内を手渡しただけ。入会案内への記入も、知り合いの紹介も依頼しませんでした。それでも何人かは後援会に入会して、支援してくれました。

    市議会議員に当選されてから、友人関係に変化はありましたか。

    中には、まるで私が日本の政治の全責任を負っているかのように、政治に関するあらゆる問題をぶつけてくるようになった人もいます(笑)。私は、政治が話題になると、聞き役に徹するようにしています。

    それでは血縁を中心にした20人のメンバーと、どのように後援会の入会者集めを行いましたか。

    入会者集めの流れは、(1)メンバー各自が後援会入会案内を持って知り合いを訪ね、記入をお願いする、(2)記入してもらった入会案内を私に届ける、もしくは入会案内が返信されてくる(※松井さんの入会案内は返信ハガキ付き)、 (3)記入された情報をパソコンに入力し、入会者名簿作成、 (4)私が入会者の住所を地図で確認し、挨拶に伺う というものです。

    後援会入会案内表面(上)、裏面(下)
    血縁中心のメンバーで後援会入会者を集めた

    (3)は基本的に私一人で行いました。入会案内が回収されてくる度に、こまめに入力していったので、大変ではありませんでした。入会者名簿を基に宛名ラベルをプリントし、公選ハガキ(※)に貼っていく作業も、一人で行いました。
    ※:公選ハガキ:選挙運動期間に、有権者に出せる投票依頼ハガキ。公職選挙法で枚数が制限されている。直接ポストへ投函すると文書違反となる。

    ※公選ハガキ裏面(左)、表面(右)

    20人のメンバーには、必要に応じて随時、新たに入会案内を手渡し、配ってもらいました。 配った入会案内2000枚の内、回収できたのが約500枚。回収した入会案内を基に、私は、約500軒にご挨拶に伺いました。入会案内1枚当たり2人~3人の氏名が記入されている場合もありますから、最終的に入会者は1000人ぐらいになりました。

    20人のメンバーの内、親戚たちは大半が農家なので、知り合いの農家を中心に回ってくれました。農家の方は律義ですから、メンバーに頼まれて、入会してくれた方が多かったように感じます。

    出馬された市議選の候補者の職業を見ると、全候補者26人中、11人が農業。農家の票は、農家の候補者に流れるのだろうと考えていました。

    市議選では、血縁・地縁が力を発揮します。私も血縁・地縁を通じて、農業系候補者の票をかなり頂けたかなと思います。
    それまでの仕事との関わりもあるので、商工関係者は、私が回りました。商店を訪ねる時は気を使いました。周囲に、特定の候補者の支援者だと思われると、商売に差し障りが出るかもしれません。ご迷惑をかけないよう、出入りは最小限に抑え、入会案内を置いてくるだけで、敢えて記入をお願いしませんでした。

    ツイッターもフェイスブックもカンタン!「ベテラン世代と若者をつないでくれる」

    30代の息子さんの友人たちも、後援会入会者集めに協力してくれたと伺いました。30代~40代の入会者の集まり具合はいかがでしたか。

    残念ながら、入会者の年齢まで把握していないので何とも言えません。
    ベテラン世代が若い世代の支持を集める道具として手応えを感じたのは、ツイッターやフェイスブック(※)などのネットツールです。
    私は出馬を機に、2011年7月にツイッター、フェイスブックを始め、8月にホームページを開設しました。
    ネットデビューから9カ月足らずの今、ツイッターとフェイスブックを通じ、20代~50代の「ネット友達」約50人を得ています。50代の友人は50歳の方1名のみ。残りは全員40代以下です。

    出馬を機に始めたツイッター
    「ネットツールはカンタン。若い世代とつないでくれる」

    50代後半のフツーの男性には、若い人に自分の考えを聞いてもらう機会なんてめったにない。まして、自分の考えに共鳴してくれる若い世代50人に出会う機会は、まずないでしょう。ネットツールは、この機会を提供してくれます。ネットツールは、ベテラン世代にこそチャンスをもたらすと考えています。

    ※ツイッター:140文字以内の短い投稿(ツイート)を入力して、みんなで共有するサービス。フェイスブック:原則実名公開のSNS(ソーシャルネットワークサービス)の一つ。SNSとは、人と人とのつながりを促すコミュニティ型Webサイト。

    松井さんは、ネットツールを、足を使った選挙戦の補完に使われたわけですね。ネットツールの具体的な使い方をお聞かせ下さい。

    ツイッター、フェイスブックには、私の人となりが伝わる内容を書き込んでいます。自分の人生哲学から、日々の出来事までがテーマです。人生哲学の例を挙げると、「チャレンジや変化は、人生を継続するエネルギー源」、「年齢に関係なく、新しいことを始めようと思い立った時がベストタイミング」など。日々の出来事としては、注目している地球温暖化関連のイベント、孫の誕生、趣味の登山などです。
    私が新人議員であることに触れる場合はありますが、自らの政治観など政治絡みの書き込みは避けています。政治の話を好まない人もいるので。ただ、知り合いの若い政治家の中には、政治をテーマに積極的にツイッターでつぶやいている人もいます。

    ホームページ
    「40代以下の『ネット友達』は50人」

    私の知る限り、ツイッターやフェイスブックの主な利用者は20代~40代。これまで私と同年代の方と出会ったことはありません。ネットデビュー当初は、自分の方から友人になってくれるよう頼んでいましたが、今では先方から友達の承認依頼が来るようになりました。ツイッターやフェイスブックからカンタンに私のホームページに飛べます。ホームページには私のプロフィールや、政治観、市議として何にどう取り組んでいくかを掲載しています。ネット友達は、私の市議としての考え方をホームページなどで確認した上で、友達になってくれたのだと思います。ネット友達が支援者になることも期待できます。
    私は市議として、今後も積極的にネットツールを使って、若い世代とつながっていく考えです。

    ネットツールの使い方は難しくないのでしょうか。

    カンタンです。パソコンでメールをやり取りしたり、ネットを見たりする人なら誰でもラクに使えます。

    後援会入会者のお宅には、必ずご挨拶に伺う

    さて、それではネットの世界から、リアルの世界に戻って、引き続き後援会入会者集めについて伺っていきます。先ほど全ての入会者を訪問されたとのお話でしたが、入会者には、どのように挨拶されましたか(※「政治活動のNG表現」参照)。

    「松信の松井でございます。ご挨拶に伺いました」といったところでしょうか。手短な自己紹介で、名前だけ覚えてもらおうと考えました。中には「あがってお茶を飲んでいらっしゃい」と声をかけてくださる方もいました。そういう場合は、お邪魔して先方に合わせて、30分でも一時間でもお話を伺いました。

    28歳で政治家になる方法※政治活動のNG表現:告示前の政治活動期間に、下記の表現をすると公選法違反!
    「28歳で政治家になる方法」(P161~P162)より)
    ×違反:立候補する旨や投票依頼を含む表現→<例>「立候補します」「出馬します」「投票ください」「1票をお願いします」
    ◎OK:政治に関する立場を表明、啓蒙する表現→<例>「○○市のごみ問題をどうしたい」「○○市の子育て問題に取り組んでいる」

    入会者集めに際し、重視していたことはありますか。

    メンバーに、入会案内に記入してくれた方には、「必ず後日、松井さとし本人がご挨拶に伺います」と伝えてもらうことと、実際に挨拶に伺うことです。1軒だけ地図で住所を探しても、どうしても場所が分からなかった方を除いて、入会者の方には全員ご挨拶に伺いました。
    後援会入会案内に記入してくれた方が、本当に私に投票して下さるかどうかは分かりません。それでもご縁はあるわけですから、大切にしなければならない。入会者の住まいは、市内に点在しているので、訪ね歩くのは、骨が折れましたが、きちんとご挨拶に伺いました。

    ご挨拶のプレッシャーは、地元支援者と回って軽減する

    選挙運動は、どのように進められましたか。

    市街地での「ローラーご挨拶」を中心にしました。ローラーご挨拶とは、日ごとにエリアを設定して、ほとんど飛び込みで、一軒、一軒、ご挨拶に伺うことです。
    ローラーご挨拶は、告示日の7日前ぐらいから始めて、選挙運動最終日まで行いました。前半は基本的に一人で回りましたが、選挙運動終盤の「最後のご挨拶」には、親戚を中心にした30人のメンバーが手伝ってくれました。告示日のポスター貼りも、このメンバーに任せました(※「選挙運動中のNG行為」参照)。

    28歳で政治家になる方法※選挙運動中のNG行為~「×戸別訪問」と「◎個々面接」の違いに注意!~(「28歳で政治家になる方法」(P217~P218)より)

    ×公選法違反「戸別訪問」:投票依頼などの選挙運動の目的で、各家庭や会社、選挙人の事務所、役所などを訪問すること。
    ◎OK「個々面接」:街頭でたまたま行き会った人や、バス、電車、デパートの中でたまたま出会った知り合いに投票依頼する行為。商店などに買い物に来たお客様に店のスタッフが投票依頼することも、個々面接の一つ。
    ☆その他、飲食物の提供、署名運動などもNG行為。詳細は「28歳で政治家になる方法」参照。

    政治活動では後援会入会者集めに力を入れ、主に市の郊外で、多くの入会者を得ました。入会者集めに尽力してくれた親戚の多くは、農家。そのため、農家が集中している郊外で、入会者を掘り起こす結果になったんです。市の中心部は、選挙運動で掘り起こそうと考えました。五泉市の人口は約5万7,000人。私の職場は中心部で営業してきましたから、中心部には私の知り合いも多い。

    具体的にどのように実施されたのですか。

    最初に訪問する地域を決め、一日当たり、午前と午後の2~3時間を使ってご挨拶していきました。ご挨拶のパターンは「松信の松井でございます。ご挨拶に伺いました」という感じ。大体一人で回りました。

    ローラーご挨拶を実施してみて、いかがでしたか。

    体力、気力両面できつい活動でしたね。
    ローラーご挨拶に取り組んだのは、10月16日の告示日を挟んで前後一週間ぐらい。とにかく暑かった。
    午前と午後の2時間~3時間ずつ実施するのが精一杯。「毎日100軒回るぞ!」と目標を決めても、毎日はとても無理。身体がついていきません。結局、体調を見ながら実施していったので、一日に回った軒数は、30軒~100軒と、かなり幅があります。
    一人で、見ず知らずのお宅をいきなり訪ねるのは、プレッシャーがかかります。どんな人が出てくるか分かりませんから。ピンポンに答えて家の人が出てきたら、今度は私がどこの誰で、何の目的で来たかを説明しなければなりません。この説明にまた時間がかかるんです。

    プレッシャーを軽減したり、説明の手間を省く方法はあるものですか。

    ええ。その地域に住んでいる支援者といっしょに回ることです。
    私はA町はBさん、C町はDさんというように、事前に5人~6人の支援者に、それぞれが暮らす地域でのご挨拶への同行をお願いしました。同行してもらう支援者は、私とある程度の信頼関係があり、地域で信頼されている人がベスト。
    支援者に訪問先で私を紹介してもらい、私は挨拶するだけ。紹介ということでカンタンに話が通ります。
    しかし協力してくれた支援者は全員、昼間は働いていたので、同行ご挨拶は夜間しかできませんでした。訪問してもご迷惑になりにくい夜の時間帯は限られていますから、同行ご挨拶の軒数はトータルで40軒~50軒にとどまりました。結果的に、ローラーご挨拶の大半は一人で実施しました。

    「ひとりご挨拶」の時に、困ったことなどはありましたか。

    2回だけありました。
    1回目は、「市政の○○○について、いったいどう考えているんだ!」といきなりまくし立てられました。2回目も同様で、頭ごなしに「市議なんて役に立たん!」と怒鳴られました。まだ市議にもなっていないのに(笑)、何とか話を重ねて納得して頂き、失礼しました。でも、その家の2軒先の奥さんには、「わざわざ来てくれてすごく嬉しい」と感謝されました。これで救われました。

    候補者は、厳しい経験も乗り越えて、選挙戦を続けなければなりません。心身ともにきつい状態でも、政治活動、選挙運動に向かうモチベーションを維持するコツはありますか。

    コツではなく意識の問題ではないですか。
    私は選挙戦を通じ、何度も「これでいいのか」と迷いました。落ち込むこともたくさんありました。初めての経験で、周囲に選挙に通じている人もいない。不安になるのも不思議ではない。それでも「結果はどうあれ、やると決めたことを精一杯やる。何としても選挙を戦い抜くんだ!」という意識があったから、またがんばれました。どんな時でも、支援者には、弱音を吐いたり、不安な顔を見せたりせず、揺るぎない姿勢と行動を見せるようにしました。

    決意の一枚
    ポスター用に撮った写真「決意の一枚」

    実は、戦う意識が強かったせいか、選挙ポスターの写真を、笑顔で撮ることに違和感がありました。
    カメラマンは「選挙ポスターは笑顔が一番。笑顔で行きましょう」というのですが、自分の心情には笑顔より決意の表情が合っている。結局、私の戦い抜く気持ちを込めた「決意の一枚」を撮ってもらいました。

    周囲の写真への評価はいかがでしたか。

    支援者からは、良い評価をもらいました。ポスター用の写真は、2枚~3枚並べて、支援者に選んでもらいました。ちょうど私が決意の一枚だと思っていたものを選んでくれました。

     「同じ地元業者に頼むと、選挙用品のデザインが似てしまう?」

    ここからは選挙用品について伺います。なぜ、松井さんは、地元業者ではなく、選挙用品ドットコムを利用されたのでしょう。

    選挙用品に「私らしさ」が欲しかったし、選挙用品ドットコムは信頼できそうだと感じたからです。
    これまでに何度か、数人の地元候補者の名刺や後援会入会案内を目にしました。どれも、デザインが非常に似ていました。

    「地元の同じ業者で作ったからではないか」と思いました。選挙用品に個性を出したい。他の候補者とデザインがかぶらないよう、選挙用品専門のネットショップを探しました。

    最初にのぞいたネットショップが、選挙用品ドットコム。早速、選挙用品の無料カタログをオーダーしました。選挙用品ドットコム代表が書かれた本があると知ったので、これも読んでみました。この本は、その後、私の選挙戦の指南書となりました。届いたカタログや本の内容から、きちっと対応してくれそうな印象を受けました。それで試しに、選挙用品ドットコムに後援会入会案内を作ってもらうことにしたんです。

    他のネットショップと比較されましたか。

    いいえ。他の店をチェックする必要を感じませんでした。

    後援会入会案内の仕上がりはいかがでしたか。

    私の個性をよくとらえていました。
    森や鳥の絵など、細部にまでこだわっている感じです。周囲の評価も良いものでした。

    後援会入会案内は、選挙用品ドットコムの本に掲載された見本に合わせて作ってもらいました。写真、文字原稿、イラストはこちらで用意しましたが、デザインは森のイメージで制作するという要望を出しただけで、あとはおまかせしました。
    私はCO2削減指導を行うカーボンカウンセラーでもあります。これも私の個性の一つ。森のイメージは、ここからきています。

    「後援会入会案内」見本
    【「28歳で政治家になる方法」P175】

    後援会入会案内見本

    オーダーから納品までがスムーズだったので、不安も感じませんでした。デザインのバリエーション提案、選択、修正、確認の一連の作業を、ネット上でスピーディーに進行できました。残りの選挙用品も、選挙用品ドットコムにお願いすることにしました。

    後援会入会案内表面(上)、裏面(下)
    「森のイメージ」で制作した後援会入会案内表面(上)、裏面(下)

    ポスター案

    選挙用品はスピード対応第一。「『最後のご挨拶』の名刺切れを防げました」

    松井さんの選挙用品は、デザインが統一されています。

    選挙用品ドットコムの本に、「統一せよ」とありましたからね(笑)。選挙用品も、選挙用品ドットコムに制作してもらったホームページも、後援会入会案内のイメージに合わせました。統一してみると、確かにどの選挙用品も、一目で同じ候補者のものだと分かるし、一貫したカラーを打ち出せるから、「松井さとし」を強くアピールできました。

    PR効果アップ

    選挙用品に関連したエピソード、選挙用品ドットコムの対応全般についての感想などをお聞かせ下さい。

    選挙戦の終盤、親戚を中心にした30人の支援者と「最後のローラーご挨拶」をやろうと決めました。ところが私の名刺はもう残りわずか。急いで選挙用品ドットコムに発注。すぐに対応して頂きました。おかげで、無駄な時間を出さず、最終日まで30人の支援者と思いっ切り戦えました。選挙用品ドットコムの対応の速さで、助かりました。
    選挙用品ドットコムには、誠実に対応してもらいました。こうしてインタビューまでしてもらって(笑)、すごいなと思ってます。

    松井さんの選挙用品制作会社を選ぶポイントは何ですか。

    最も重要なのは、気に入ったものを的確に、スピーディーに制作してくれるか、管理が行き届いているかだと考えています。

    「議員のプレッシャーはすごい。でも、「やりがい」はもっとすごい」

    松井さんは初出馬で初当選されました。議員生活はいかがですか。

    年齢的に気力、体力が低下してきた今、議員のプレッシャーはこたえます。公人ですから、プライベートはあってないようなもの。一年365日常勤の仕事をしているようです。議員一年生ですし、一日議会に行くともうへとへとですよ(笑)。

    議員の仕事に、大きなプレッシャーをはね返すだけのやりがいはありますか。

    もちろんです!新しいことを学び、それを活かして人の役に立つこと。これが私のやりがいであり、底力です。
    議員活動にプラスになるかと、中央大学法学部の通信教育で法律の勉強をしたり、新潟大学の市民聴講生として政治学を学んでいます。学んだだけ視野が広がるのは楽しいこと。しかも得た知識で、議員活動を一層充実させ、人の役に立てるなんて最高の気分です。

    ベテラン世代へのメッセージ「いくつになっても自分らしく生きる」

    ベテラン世代で出馬を目指す方にメッセージをお願いします。

    変化を恐れず、一歩踏み出す勇気を持ってください。年齢を重ねた今、生活を変える、しかも政治の世界に飛び込むのは確かに勇気がいる。でも人生はそもそも無常。つまり、本来、常に変化しているもの。私も58歳で、生活を大きく変えましたが、自分の気持ちに従って行動した方が、結局、自分らしくいられます。

    今後の抱負

    最後に今後の抱負をお聞かせ下さい。

    健全な地方自治を目指し、議員活動を進めます。
    例えば、今、議員定数削減や議員報酬カットなど、議会のコストカットばかりが取り沙汰され、あたかも議会を縮小しさえすれば良いような風潮があります。もちろん無駄はなくさなければなりませんが、縮小する一方では、議会は弱体化し、税金の公正な使い方をチェックするなど、本来の市民の側に立った役割が果たせなくなってしまいます。私は、市や市民の真のメリットに貢献する自らの役割を自負し、議会を市民にとってより有益な機関にしていきたいと考えています。

    本日はお忙しい中、貴重なお話を有り難うございました。

    【編集後記】
    お電話で初めてご挨拶した時、松井さんの第一印象は「若々しい声の紳士」でした。
    取材を進めていくうちに「熱い闘志を秘めた不屈の人」でもあると感じました(後から「矢沢永吉ファン」と知って納得!)。
    変化を恐れずチャレンジする姿は、誰が見ても「カッコイイ」もの。松井さんの若いネット友達は、松井さんのそういう点をリスペクトし、松井さんとつながりたいと考えたのではないかと思います。
    常にチャレンジに備え、着々と勉強し、準備される姿には脱帽しました。これからも後輩の希望の星であって欲しいと心から願っています。

    ※ 取材日時 2012年3月